36.「駄ジャレ、小咄」

2015/06/29

 言葉の才能が自分にあるとは思いませんが、他人より外国語の習得が早目なのは、人一倍ある好奇心のせいだと思います。とにかく単語も表現法も大いに興味を持って沢山覚えようとすることです。私はCDを聴きながらの学習にはそれ故興味も示さず、本や雑誌、そして対話を重要視します。
 ドイツ留学時に或る程度ドイツ語を覚えると、早速周囲の人間に日本の俳句や川柳を教えようと考えました。川柳というよりは駄ジャレに近いものですが、、、。ひとクラス30人のうち8人がハンスという名前でした。いかにも多い。ちょっと誇張して「クラスでは半数程がハンスかな。」ドイツ人に俳句の(川柳の)エッセンスを教え、ドイツ語で説明して自分なりに一句ひねって相手に分らせ、お前もやってみろと作らせる。こんな馬鹿な試みをしたって、相手は仲々理解しないから、説明が長くなる。とにかくドイツ人は喋るのが大好きだから、面白がって呉れる。ドイツの人々が何故あんなに沢山ビールを飲むのか。きっと議論していて喉が乾くからだと思います。
 かつて、ナパに日本人の仲間を10名ほど連れて旅をしました。とあるワイナリーの庭に樫の老木が5~6本。そこで一句。「少しでも多く(Oak)の木とはこれ如何に。」
 ドイツ人は小咄も大好き。メールで「今週の小咄」を毎週送って呉れる親友がいて、その最新作。
★交通事故の訴訟法廷で。加害者の弁護人が被害者に「貴方は事故の直後私の依頼人(加害者)が貴方に怪我しましたかと尋ねた時、大丈夫です、何でもありませんと答えましたね。」「はい。でも考えてもみて下さい。私は道端を馬に乗ってパカパカ歩いていました。そこに加害者の車が当たり、私も馬も草原の上に投げ出され、仰向けになって手足をバタつかせていました。そこに運転していた加害者がやって来て、持っていた銃で私の馬を射殺しました。次に私の方にやって来て、貴方も怪我していますか、と尋いたのですよ。」
 この咄は大怪我をした動物は例え愛馬でもすぐ安楽死させる、というドイツの習慣を知っていなければ分かりませんね。