37.「S.F.の面白さ」

2015/07/13

 全方位読書を誇る(?)私ですから、SFは勿論のこと大好きです。大学生時代ブラウン、ブラッドベリ、レム、アシモフ、星新一、小松左京と何でもござれの数年を過ごしたのを覚えています。SF好きの下地は小中学生の頃に読んだヴェルヌに依ります。自由な発想で書いていて、それらのことが彼の死後ことごとく実現するのですから不思議です。
 私は余りお金持ちじゃないのと、生涯視力に恵まれている(左右1.5)せいで文庫本をよく買います。熟読して読み了ると処分しますが、近々もう一度読みそうなのは残します。現在手許にあるのがハインラインの「夏への扉」。この本は今迄同じものを計4冊買っています。毎度いとおしくて手許に残しながら、必ずや知人にプレゼントしてしまう、私にとってはメモリアルな小説だからです。元来、他人から本を贈られたり、自分が他人に本を贈ることをよしとしないハズの私なのに。この「夏への扉」だけは特別です。
 主人公の愛猫ペトロニアスが大活躍する設定そのものが、大の猫好きの私を魅了します。そして何よりも書かれたのは20世紀中葉、舞台は20世紀末から21世紀初頭にまで達するのに、登場する未来発明品の的中(実現)率が非常に高いのです。
 先ず主人公は自動製図機を発明します。これはこの小説の発表40年後にCADとして実際に世に登場します。タイムマシンはまだ発明されていませんが、「お女中さん」の名で登場するマシンは現在私の家にもあります。
 先般、妻の一番の女友達が、うちに泊りに来ました。毎朝、私が4匹の愛猫たちのトイレ掃除と床掃除に、立ち働くのを見て不憫に思ってか、帰った彼女から「お掃除お女中さん」がプレゼントされて来ました。我が家の家猫は現在6匹に増え、この「ルンバさん」の活躍せざることか。勿論この機械を発明した人物もハインラインの愛読者だったこと、疑いなしです。