60.北海道ルネッサンス・プロジェクト②

2016/01/04

 国が平成26年11月に公布・施行した「まち・ひと・しごと創生法」。その法律に基き、全国1700程ある市町村の中から(2市町村以上の連携を条件に)50のモデル地区がこの10月末決定されました。何と、栄えあるこの50の「地方創生先行型の優良施策」として、我が地元の「余市・仁木ワインツーリズム・プロジェクト」が選ばれたのです。両町の役場や関係機関の方々の熱意の賜物と思われます。
 日に日に疲弊して行く地方を何とか蘇えらせようという目的を持った施策。分かり易くいえば、地方で地域に根差した産業を興し、雇用を創出して人口減少を食い止め、自然環境・経済環境ともに魅力ある空間を再創出しようというのです。
 どうせ何をやっても駄目さと悲観する人々も巻き込んで、我が住む町を輝く町にしよう。人間は本来希望を持ち続けながら生きるよう宿命付けられている動物、と考える私の様な人間にとっては持って来いの運動です。しかもテーマがワインの里作りそのものなのですから。
 余市・仁木両町の境界に我がワイナリーを建てて活動している立場ゆえに、自然と両町のプロジェクトの進め方の差異が見え、聴こえて来ます。余市町が現状調査やワインぶどう農家・ワイン醸造者への補助金交付の動きを見せているのに対し、仁木町は先進地視察に力点を置いていて、早速15名~20名でカリフォルニアのナパへの視察を企画していると聞きます。この2つの町が今後5年から10年相携えて、この地域をワイナリーだらけのゾーンに作り変えようというのですから、見ものです。決して誇張ではなしに、日本全国が固唾を呑んで見守ることになる、大いなる実験が今まさに始まろうとしているのです。