80.庭作りの楽しみ、バラの季節到来

2016/07/13

  半世紀以上前に高校で知り合った、しかも同じサッカー部の友人の手ほどきを受けて、すっかり庭いじりオジさんと化しました。友人の名前は近君といって、JR千歳駅から真っ直ぐ支笏湖方面に向かって3km程進んだ処に、世にも素晴らしい庭園(カフェ・レストラン付き)を経営しています。MEON(ミオン)という名で、一度行ってみる価値はあります。
  Controlled Chaos(コントロールド・ケイオス=よく手入れされた混沌)を体現した希有なるガーデナーであると、友人ながら一目も二目も置かざるを得ず、よく訪ねてはその居心地の良さに時を忘れ、逆に彼が私を訪ね来ては、庭園学を私に伝授、そんなことを永く繰り返して来ました。もっとも純粋なる求道者の彼ほど私の方は気高くなく、多分に世俗的です。要するに主業であるワイン作り、そのベースたるワイン醸造・レストラン棟を美しく飾りたいのです。
  Bitch’s brew(ビッチェズ・ブリュー=あばずれ女の妙薬、いや魔酒とでも訳しましょうか)。我が敬愛するジャズの巨人Miles Davisの名曲です。1980年頃、札幌の厚生年金ホールでライブを聴きました。その音は現在でも私の脳に丁寧に保存されていて、時折取り出しては聴いています。云わゆる電子音楽とジャズの融合(フュージョン)曲で、彼の、そして全ジャズ界の不朽の名作と私は信じています。
  何を言いたいのかと申しますと、そうです、魔性の液体たるワイン作りをしていますので、ちょっぴり秘密めかして、その館は花で飾りたいのです。ヒントを与えてくれたのはカリフォルニアのナパです。どのワイナリーも庭が、花が、芝生がとても素晴らしい。現在私は5名の内弟子を抱えていますが、彼等にこの理念は伝わるでしょうか。庭作り、ぶどう畑の管理、ワイン作り、お客様との会話、猫達との対話、これらがすべて融合して一直線上にあります。もしそうでなければ、そんなワイン作りは詰まらない。正直そんな気持ちです。
  先日、私が庭で、ひざまづいてバラの世話をしていると、家人(Gabi)が寄って来て、曰く「長生きしてね。こんな棘だらけの植物の世話簡単じゃないもの。」きっと一種の愛情表現なのでしょう。限りなくシェイクスピア的ではありますが。
  とまれ我がガーデンは今が見頃。おみやげ用のサクランボも20本赤い実をつけて待っていますので、是非お出掛け下さい。