89.何故、今ワイン新法かⅠ

2016/11/09

  私の場合、本業の忙しい時期になるとパタッと筆が止まる性癖がり、年令も年令ですから(もうすぐ69才です)、入院でもしたのかなと思われがちですが、どうぞご心配なく。これで我ながらペース配分はしっかりしているつもりです。それと、この雑文集の最終着地点もきちんと見据えて書いておりますので。
  かつて私の会社に出資している或る人から、40年前のことや何百年前のことなぞ書くな。書くのなら、自分の会社のワインがよく売れるような文章にすべきだ、とまで言われました。何と詰まらないことを言うのでしょうか、というのが私の正直な感想です。今すぐ自分の作りたてのワインをどんどん売って儲けなさい、と言われたようで不快でさえありました。だってそうでしょう。現在の日本のワイン業界が始末に負えない程汚れてしまった原因は、そのような近視眼的思考にあったのですから。
  ここから、やっと前回の続きとなります。確かに今回のワイン新法施行に当たっては、世界の一流通商国たる日本の今迄の姿勢が余りにもアンフェアであったため、諸外国、特にEUから強い要請(抗議)があってのことと推察されます。「国産」と明記されていながら、南米産のものをビンに詰めて売るという偽装が堂々と行われているのは如何なものか、と
欧州のみならず北米やオーストラリア、ニュージーランドも言い続けたハズです。
  しかし、大改革を行うにしても、今回「軟着陸型」の変革とはなりませんでした。どうしてでしょう。EU女帝のメルケル氏の要求がそれ程強かったのか。それとも、他に理由があったのでしょうか。