161.気持ちは札幌市民、心は余市町民。
2019/04/26
気持ちは札幌市民、心は余市町民。
余市のこの地にぶどうを沢山植えてワイナリー&レストランを建て、敷地の中程は見栄えのするガーデンも配置してと、この6年間は全体のランドスケープ造りに注力して来ました。春・初夏ともなると、遥か東方30kmの地点にある「我がモン・ブラン」(実名は余市岳1,488m。白い姿形がモン・ブランそっくり)を眺めながら、時折文章もひねっての人生をエンジョイしています。
かつて新潟で世にも特異なワイナリーCave d’Occiを興した時は、私も40代50代と人生の真っ盛りの時でしたから、今回64才で始めた余市の事業はもっとゆったりと、と考えたものでした。しかし情勢が許しません。若くて有能な新町長・新知事が相次いで誕生し、この地の観光化再興に火が付いた現在、私共も自分たちの事業をもっと煮詰めておく必要が生じました。
先ずパン窯を作ることにしました。5月から焼き始めるべく段取りしています。旧屋を改造しながら大きな機器を幾つも設置して、と忙しい最中に、「パン屋さん銀座」の観のある札幌市丸山地区を訪ねてみました。先ずは個性派の店を二店舗訪ね、そして大阪発の食パン専門店でも長い列に並んでみました。「札幌の人々って、こんなにパン好きだったんだ」と思われる程、何処も盛況で楽しい半日となりました。こんな「チョイ出掛け」が気軽に出来るのも、余市―札幌西―丸山がほんのひと走りとなったからです。
丸山・宮の森地区が文字通り大都市札幌の山の手住宅区になったのは、矢張り広い平地の都会に住む人々にとって、森や山の差し迫る景観に気持ちが休まるからなのでしょうか。裏屏風ともいえる手稲山系が強い西風をさえぎり、静閑な風情を演出していることも大事な要因です。そして、そこから至近の札幌西インターに乗ると、海・山を眺めながら僅か30分弱で我が余市に着きます。この余市インターから私共の地まで6~7分。(2年後にはもっと近くに仁木インターが出来て3分。)
面白いもので、我がワイナリーのメンバーでいらっしゃる方々(総勢7000名程)に同じ質問をしますと、同じ答が返って来ます。「今日は高速道でいらっしゃいましたか。どう感じましたか。」答は、「いやあ、とても近い。丸で余市は札幌の郊外ですね。」気持ちの上でも実際に時間的にも、大都市札幌に近い田舎であることの幸福感をじわりと噛みしめている今日此の頃です。